アスレティックトレーナーとS&Cコーチがzoomを使ってオンラインミーティングをしました

みなさんこんにちは。
ストレングス&コンディショニング(S&C)コーチの池田です。

新型コロナウィルスへの感染者数が増加し続け、4月17日には非常事態宣言の対象地域が全国に拡大されました。残念ながら多くのスポーツ現場でも活動休止期間がさらに長期化しそうな事態となっています。

そんな中で、普段は現場で選手たちにトレーニングやアスリハ指導をしていたアスレティックトレーナー(AT)やS&Cコーチたちも自宅待機を余儀なくされ、一体どうやって選手たちをサポートすればいいのかわからない、という状況に置かれています。

もちろん私もその中のひとりです。

この数週間、遠隔地にいる選手たちをどうやってサポートしていけば良いものか、と考えてはみたものの、なかなかこれといった答えがないまま時間が過ぎて行っていました。

もしかしたら同じように悩んでいるAT,SCの方がいるのでは?と思いTwitterで呼びかけてみたところ、多くの方が反応してくださいましたので、みんなで情報を共有するためにzoomを使ったオンラインミーティングを開催してみました。

非常に多くの情報を共有することができ有意義なミーティングとなりましたので、議事録としてまとめた内容をご紹介させていただきます。

zoomミーティング「AT, SCは選手たちにいま何ができるか?」

参加者

24名(AT9,SC15)
所属カテゴリー:高校、大学、実業団、プロなど
指導競技:野球、ラグビー、サッカー、バスケットボール、アメフトなど多数

ミーティングで話し合ったトピック

トレーニング指導について

  • zoomやGoogle meetを使ったオンライン指導を実施している
  • 指導しているのは自重トレーニングが中心

という現場が多数を占めていました。
ただし、

  • 家庭環境やネット環境に個人差があるため全員で行うのは難しく参加は任意

としている現場がほとんどでした。
中には、

  • 日時や実施内容(動画配信 or オンラインセッション)などの実施スケジュールを事前に連絡して自主的な参加を促している
  • セッション終了後、コーチが先に退出し選手だけで交流できる場を設けている
  • トレーニング方法や注意点をまとめた音声付きスライドやPDFを配信している

という工夫をしている方もいらっしゃいました。

  • 規則正しい生活リズムを維持してもらうためにもオンライン指導は有効

という意見も多かったです。
また、

  • 個人競技の選手にはパーソナルな対応がやりやすい
  • 団体競技の場合は、人数が多くなると指導が困難
  • 数人ずつのグループ指導が有効かも知れない

という意見もあり、どなたも試行錯誤されている様子がうかがえました。

アスリハ指導・健康確認について

  • Googleフォームによる健康状態の確認
  • LINE、メール、電話による状況のヒアリングと個別対応
  • アスリハ用動画の配信
  • 受傷箇所の急を要さない受診、治療、手術などを見送り当面の通院は避けている

などの細やかな対応がなされていました。このような取り組みの多くはATのみなさんによるもので、複数人を同時に対応することの多いS&Cコーチと違い、ケガの状況に合わせて個別に対応することの多いATならではのサポートだな、といった印象を受けました。

メンタルヘルスケアについて

さらには、活動休止の長期化に伴う選手の精神的ストレスにも話題が及びました。

  • 連盟や競技団体からの指針・指示が少なく、対応は各チーム毎で判断している
  • 活動再開の目処がないのでトレーニング計画やプログラム立案が難しい
  • 自宅待機や外出自粛に伴うストレスの蓄積やモチベーション低下が気がかり
  • さらに長期化するとメンタルヘルスケアが必要になるかも知れない

さらには、

  • オンラインとはいえ、お互いに顔を見れるだけでも安心感はある
  • ストレスの緩和にもオンライン指導が役立つかも知れない

などの意見が挙がりました。

まとめ

非常に活発な意見交換が繰り広げられ、様々なアイデアを共有できたミーティングとなりました。

そして今回参加されたみなさんが、オンライン指導にはトレーニングやアスリハの方法を伝えるという本来の目的の他に、今のこの状況の中では、人と人との繋がりを保つツールとしての可能性を持っている、と感じておられました。

企画して良かったです。
このような機会はまた作りたいと思います。