みなさんこんにちは。
池田です。
私は2002年から23年間、S&Cコーチとして大学生からプロ、日本代表選手まで様々なカテゴリーのアスリートのS&C指導に携わってきました。
また、直近の4年間は、国立スポーツ科学センター(JISS)内にあるハイパフォーマンスジムで、フォースプレートや自転車エルゴメーターを使った筋力・パワー、エネルギー代謝能力の測定評価を通じて、アスリート本人や彼らのトレーニング指導を担当するS&Cコーチたちをサポートしてきました。
そして2025年2月にJISSを退職し、S&Cコーチとして現場に立つことからも退きました。
退職してから半年ほどはのんびり過ごしていましたが、最近になって活動を再開しました。
そこで今回は、S&C指導の現場を離れた私がこれから新たにやっていきたいことについて書かせてもらおうかと思っております。
最後まで読んでいただければ嬉しいです。
目次
私が現場で感じていたストレスと葛藤
新たにやっていきたいことを書く前に、私がS&Cコーチとして現場に立っていた時に常々感じていたストレスや葛藤について触れたいと思います。
それは、意思決定の難しさ、学ぶことへの障害、メンターの必要性、です。
この3点が今後やっていきたいことのベースになっています。
意思決定の難しさ
私は長い間、S&Cコーチとしてアスリートのトレーニング指導をしてきましたが、その間ずっと意思決定の難しさと向き合っていました。
・トレーニング課題は?
・ピリオダイゼーションは?
・エクササイズの選択と配列は?
・負荷設定は?
・週頻度は?
・練習との兼ね合いは?
・プランBプランCは?
・個別のアレンジは?
S&Cコーチとして、日々あらゆる事に対して可能性を想定して選択肢を用意し、状況に応じてどの選択肢でいくかを意思決定していく、そしてその度に自分でも腹落ちするための根拠をつくっていかなければなりませんでした。
意思決定をしたあとも、本当にこれで良かったんだろうか?とか、本当のところはやってみないとわからない、と心の片隅では思っていたりしていました。
S&Cコーチの皆さんなら少なからず似たような気持ちになったことはあるんじゃないでしょうか?
学ぶことへの障害
自身が意思決定したプランを選手やコーチに説明・提案していく訳ですが、その根拠を作るためには情報の収集と知識のアップデートが必要です。
しかし、毎日現場に立ちながら学びを深めていくことは(自分にとっては)難しいものでした。
先に書いたように、毎日いろんな状況に対応することに時間と心を取られてしまい、慣れない英論文を検索して日本語に翻訳しながら読んだり、参考書をまとめたりすることに対して意欲的になれない状態でした。
そこそこ経験が増えていき、それなりに現場では立ち回れていた事も学びに対して積極的になれなかった理由のひとつかも知れません。
メンターの必要性
自分で意思決定したトレーニング計画やトレーニングプログラム、日々のセッションのプランを「パーフェクトだ」と絶対的に自信を持てたことはありませんでした。
もちろん、やってみないとわからないからこそ根拠を明確にし、できる限りうまくいく可能性を高めようと努めていました。
ベテラン?になってからのここ数年はそう思うことはほとんどありませんでしたが、キャリアの浅い頃には「それで良いと思うよ」「そこはもう少しこうしてみてはどうか」「こういうアイデアもあるね」と助言をくれるメンターがいてくれるといいな、と思っていました。実際、先輩S&Cコーチに度々助言を求めてもいましたね。
現場を離れてこれからやっていきたいこと
S&C指導の現場を離れた今、かつての自分のように現場での指導に全力を注ぎたい、その為に学びも深めていきたい、でも両立するのが難しい、そんな人に向けてこんなことができるといいなと思っています。
学びの共有
私自身、現場に立っていて「勉強不足」と感じることが少なくありませんでした。
ですので、これからまた学びを深めていこうと思っています。
そしてその学びの過程を、同じように学んでいこうとしている人たちと共有できるといいなと思いました。
今後は、S&Cに活かすためのスポーツサイエンスの情報を、長年の現場経験からの視点を交えてまとめ、オンラインセミナーや動画コンテンツとして発信していきます。
メンターシップ
キャリアが浅く、さまざまな意思決定に苦労している若手S&CコーチやS&Cコーチを目指している人に対して、自身の長年の経験を共有できるといいなと思っています。
・ニーズ分析やピリオダイゼーション、プログラムデザイン
・セッションプランや指導ポイント
・選手やコーチとのコミュニケーション
・ミーティングや発表のための資料づくり
などに対するメンターシップ(アドバイス)を提供します。
現場と科学、実践と研究をつなぐ
また、私は40歳を過ぎてから大学院に進み修士号を取得しました。
そこでスポーツ科学を学び、その後の指導スタイルが大きく変わりました。さらにJISSでは多くの研究者や科学的知見に接することができ、現場と科学、実践と研究を行き来することの重要性や面白さを知ることができました。と同時に、その両者の間にあるギャップや協働の難しさも痛感しています。
S&Cコーチ出身でありながらスポーツ科学研究者の視点を持つ実務家として、S&C指導者の科学リテラシーと、現場に関心のある研究者の現場リテラシーの向上に何かしら貢献していけるといいなと思っています。
現場と科学、実践と研究をつなぎ(Bridge)、両者が集う場(Commons)を創っていけたら嬉しいです。
まとめ
とりとめのない文章を、最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後の活動については、このサイトやSNSを通じてお知らせしていきます。
このサイトももう少し充実させていこうと思っています。
引き続きよろしくお願いします。